FCジャーナル > 株式会社プロジェクト・ジャパン  代表取締役社長  中川泰象

「ありがとう数 日本一」
株式会社プロジェクト・ジャパン
代表取締役社長

中川泰象
元々は弁当配達のトラック運転手だったが、22歳の時に一杯のラーメンとの運命的な出会いを果たす。 その出会いからラーメンを仕事にしたいと本気で考えるようになり、一念発起してラーメン店に転職。 下積み修行を重ねながら、旨いと言われる評判の店を食べ歩き、独自のラーメンづくりに励む。 2004年6月池袋に暖簾を掲げ、株式会社プロジェクト・ジャパンの基盤を築く。
業態開発のきっかけ
Q:現在の事業を始めるきっかけを教えてください

中川:
将来自分自身プロ野球選手になって、活躍する事を夢見ていましたが、強豪校の野球部に入ったところ、レギュラーにもなれず、野球の世界では、自分の居場所はないと感じ、モチベーションだった野球が高校の時に終わりました。
卒業した数年間は10数か所の離職を繰り返し何をやっても続かない生活をしていました。そんな中、コンビニのルート配送の仕事をしていた22歳の頃、同僚が出発前の雑談時に、「〇〇のラーメンがおいしかった」「すごい行列ができていた」と、楽しそうにラーメンの話をする先輩がいたのです。その人からラーメンを一緒に食べに行こうと誘われ、赤羽のラーメン屋に行きました。駐車場もなく立地もよくないが、その店に連れていかれた際、衝撃を受けました。目の前に60人ほどの行列ができていて、ラーメン店ってこんなに凄いの?という印象を受けました。1時間半待ってようやく店内に入り、一口目のおいしさ、感動とが自分のラーメンの枠を大きく外れていて感銘を受けました。その事がきっかけで、ラーメンのことをもっと知りたい、他にももっと凄いラーメンがあるのでは?とラーメン本を購入し、おいしいラーメンを探して、ラーメンマニアの世界に足を踏み入れるようになりました。
その後、自分でもラーメンを作りたいと思い、東急ハンズで大きめの鍋を購入し、見様見真似で自宅のコンロでラーメンを作ってみました。すると思いのほかおいしくて、そこから色々な食材を試して作ってみました。作れば作るほど、どんどんおいしくなっていって、最初は弟と母親に食べてもらい「おいしい」とほめてもらい、友人を呼んでラーメンを食べてもらい次第に周りから「お店やったらいいよ」と言ってもらえるようになりました。
人に喜んでもらえる、必要とされている、自分を受け入れてもらえたという感覚を覚えました。
今まで幾度も転職を重ねていく中で、自分自身仕事に対する喜びや必要性を感じていなかった中、ラーメンでは喜びや感動を得られるのではないかと思いました。それからプロのノウハウをしっかり学ぶべきだと考え、池袋のラーメン店で1年弱社員としてチェーンオペレーションや仕込みを学んでいきました。その後お金を貯めるために、6年間ただひたすら開業資金作りをしました。母親が25歳の時になくなり、母親が残してくれた資産と自分で貯めたお金を合わせて、27歳の時に初めて自分のお店をオープンしました。


Q:1号店はどちらですか?

中川:
池袋です。
お店自体は私の魂そのものだと考え2004年に自分の名前を店名として創業しました。


Q:最初の1店舗目を出した時に、最終的にフランチャイズというのは考えていましたか?

中川:
最初は特には考えてなかったです。ただ後々、この店舗を全国区にしていきたいという思いはありました。具体的に何年で何店舗とまでは考えてなかったですが、修業先でラーメンでチェーンビジネスを学んでいましたし、創業期から多店舗展開をしていくノウハウは持っていたので、FCビジネスで全国にチェーン展開していくという夢は持っていました。
経営者としての想い
Q:最初オープンして1ヵ月、2ヵ月経っていく中で色々な喜びや苦悩があったかと思いますが。

中川:
最初はとにかく自分の商品をお客様に出せる喜びはありましたが、その気持ちと裏腹に、思っていた以上の結果が得られなかったのです。もっと喜んでもらえると思っていたのに、来る日も来る日もお客様が来ない、売上が上がらないという苦悩があり、自分が思い描いていた反応が得られなかったです。


Q:そこで「なぜ?」という感じになりますよね?

中川:
ラーメン業というのはただただ味だけでなく、価格面、安定営業、スタッフのふるまい、外観の作りなど、ありとあらゆることをもっと学んでいかなければならないと感じ、様々な改善をしました。自分の給料も最初8カ月ほどは無給で改善する事に注力し、お客さんにもっと来てほしいという事を日々研究しました。セミナーにも通い、今でも勉強中ですが、少しずつの改善につながり、そのやってきたことが今では自信や確信に変わってきています。でも、またそれが崩され、そしてまた自信をつけ、この繰り返しをこの14年間行ってきていますね(笑)。

業態の強み
Q:たいぞうラーメンの最大のアピールポイントは?ほかにもたくさんラーメン屋がある中で、たいぞうらーめんの優位性とは?

中川:
これは、二つにわけられます。
お客様から見た節骨麺たいぞうラーメンとはという価値と、FCオーナーから見たたいぞうラーメンの強みがあります。
お店という面においては、当社のコンセプトが「ラーメンを一つの生活のサイクル、インフラ」にしたいと思っています。週に一度はたいぞうラーメンを食べたい、という想いを持ってもらいたい。その中で、メニュー構成を考え、幅広いお客様に受け入れられるように作っています。定食形式もあれば、ラーメン専門店としても個性を大切にしています。
専門店でありながらも、ある程度のお客様のニーズに受け答えができるメニュー構成になっています。
さらに、コンセプトとして元気・笑顔・親切というお客様との約束があります。これは当たり前の事だけど、その当たり前を徹底的に提供していくことがたいぞうラーメンの強みになっていると思います。
加盟オーナー様向けには「バランス」です。何かに凝り固まってはよくない。創業時の失敗を活かし「過去こういう失敗をしました。結果こういう改善をしました。そしてこういう成果を出しました」という経験がそのままパッケージになっていると思います。その中で一番大事だと思うのはやはり「商品力」ですね。美味しくなければお客さんはついてこない。そして、「人材力」です。おいしいラーメンを提供する側の育成力。これがあって初めていいお店が出来上がると思います。
そして、お客様に喜んでいただきやすい店舗作り、誰もが簡単にオペレーションできる標準化システム、こういったものがバランスよくパッケージ化されていくと、個人事業主で経営経験がない人でも、30日の研修で店舗のオーナーにしっかりとなることができます。


Q:スープを何時間も煮込んでというイメージがあるが、そういうものではないのですか?

中川:
全てをセントラルキッチンで作っているため、包丁いらず、職人いらずというコンセプトでやっています。なので、誰でも簡単においしいラーメンが提供できます。
そして、他の強みとしては、サポート力があげられます。
FCのオーナーの中には、立上げ、独立が一つのゴールになっている人もいます。
ただ、お店は独立してからがスタート。その中で、今のノウハウが変化・進化をしていかなければならないと思います。お客様の求めている事が時代の流れとともに当然変化をしますからね。
その時代の流れを、本部はキャッチをし、FCオーナーと共有して、戦略・戦法・戦術を考える。各店舗へつくSVがその様々な取り組みを現場でチャレンジし、お客様の反応につながるような事を増やしていくイメージです。


Q:成功事例を共有できるわけですよね?

中川:
そうです、それが当社の価値でもあります。経営プロセスも共有していくため、プロジェクトジャパンの経営手順をFCオーナーへ伝え、自社を経営していってもらいます。経営の最中、ぶれてしまう人も少なくないので、目的経営を推奨し、理念をしっかりと浸透させていくことが弊社の特徴でもあります。
現在のFC状況
Q:最近うれしかったことは?

中川:
最近FC1号店のオーナーが喜んでいただいたことです。そのオーナーはもともとラーメン屋をやっていて、のれん替えで加盟をしていただいたオーナー様。オープン当初は売上3倍、現在でも当時の売上の2.5倍を維持していただいています。そして、来年の1月にはそのオーナー様の2号店を出店されることが決まっています。
1年という短い期間でこのような事が起きると、自分たちのやってきたことが間違っていなかったという自信にもつながるため、非常にうれしい事です。他にも2号店目を検討されているオーナ様も多く、弊社のFCオーナー様は弊社のFCと出会って人生が変わったという方が多いです。
そういった方に少しでもいい結果を残してあげられるように本部も努力し、それが実ったときは本当にうれしいですね。だからどんどん成功させていきたいです。そのためにも、自分がラーメン一筋でやってきた過去の成功・失敗事例を惜しみなく出していきたいと考えています。
ラーメン業界自体への影響として、ラーメン屋で働く人たちに夢を与える事も自分の夢でもあり、当社の使命であると考えています。
今後の事業展開について
Q:これから日本全国に展開していく流れ、また海外の可能性も含めて、展望は?

中川:
来年が15期。18期の時にはFCを50店舗に増やしたいと考えています。


Q:海外展開は意識されていますか?

中川:
今現在は海外に早急に動こうとは思っていません。当社の掲げている目標「ありがとう数日本一」。来ていただいたお客様全てにありがとう、おいしかったと言っていただけたとして、1年間の来店数が6000万人を目標にしています。現在、麺を扱ってるチェーンの最大手であるチェーン店の来店数が6000万人のため、その数字を意識し、目標として掲げています。
加盟を望む企業や個人のイメージついて
Q:今加盟されている、法人・個人を見返してみて、どのような人がたいぞうラーメンの加盟店として向いていますか?

中川:
基本的に、当社の想い、理念を理解・共有・実行できるオーナーが向いています。共に繁栄、共に勝つというのが基本的な考え方になっているためです。そして理念を共有したFCオーナーが率先垂範で動けるオーナーが弊社には非常に合っています。むしろお金だけを出して全てまかせっきりというような人は加盟をお断りしています。
会社名 株式会社プロジェクト・ジャパン 業態 飲食
所在地 東京都豊島区西池袋1-24-8 江戸半ビル2階 URL http://taizo-ramen.jp/