FCジャーナル > 株式会社GLUG  代表取締役社長  前田拓哉

答えがない時代 自らの人生を自らの力で切り拓く
株式会社GLUG
代表取締役社長

前田拓哉
食の分野において世の中に眠っているビジネスアイディアを探し、飲食店の物流インフラとボランタリーチェーンの構築を実現し、その3つを結びつけ、これまでにない商品・サービスを生み出すことで世界中のフードビジネスに新たなスタイルを提供するアントレプレナーズであり続ける。
業態開発のきっかけ
Q:今の事業を始められる前はどんな事をされていましたか?

前田:
大学卒業後、最初に入社したのが東証一部上場の大手コンサルティング企業であったベンチヤー・リンクという会社でした。外食や美容をはじめさまざまな事業部がある中、外食事業部へ配属され、FC展開をサポートするSV業務に5年ほど従事していました。


Q:その5年を経て起業したのですか?

前田:
もう1社経験を積んで、その後にGLUGを立ち上げました。



Q:最初、今の業態を世に出した時に、周りの反応の中には驚きもあったかと思いますが、この事業を始めるきっかけはどのようなものでしたか?

前田:
きっかけはベンチャー・リンクの時にありました。私がSVを担当していたFCの業態が定食屋で、現在GLUGの共同代表をやっている佐藤が、この定食屋の売上不振店舗でお弁当を売れないかと考え、結果として、今のやどかり弁当のモデルが生まれました。
ベンチャー・リンクを卒業するときに、このスタイルを外食産業に広げられたらいいねという話をしており、新しい会社に移った際に会社の中の事業部として、このお弁当事業をやらせてもらいました。ただし、事業スタート後約半年間は赤字部門だったため、株主から事業の打ち切りを告げられたのです。当時私は29歳で、この事業の加盟店は5店舗ほど。何もない手探りの状態で始めた事業に賛同してくれた加盟店さんに「もうおしまいです」とは言えませんでした。
佐藤と相談した結果、この事業を残すために自分たちで会社を起こし、事業部を買い取らせてもらうことにしました。つまり、元々GLUGという会社をやろうとして始まったものではなく、事業を守るために作るしかないから作った会社、というのが設立の経緯です。
経営者としての想い
Q:8年前に会社が立ち上がって、すごいスピードで成長されていると思いますが、苦労は多かったですか?

前田:
苦労かどうかはわからないですが、最初の3年くらいは売上が立たなければキャッシュがショートする状況が続き、何をしていたかあまり覚えていないほど仕事に忙殺されていました。創業メンバーは6名で、営業やメ二ュー開発などそれぞれ役割分担をしていました。その中で資金繰りは私がやるという状態でしたので、どうやってお金を回していくかという点についてはすごくストレスを感じていたのを覚えています。


Q:のってきたなと感じたのは起業してからどれくらいですか?

前田:
3~4年経った頃ですかね。最初の階段は加盟店50店舗を達成したとき。その頃までは創業メンバーのみでやっていて、ようやく固定費が出せるくらいの規模になってきたタイミングでした。その時、今後の方針を決めるべく創業メンバーに「給与を上げたいか、それともその資金を使ってもっと会社を大きくしたいか?」と問うた時に、全員が「会社を大きくするために挑戦しよう」と言ってくれました。それをきっかけに新たな人員を入れたり、事務所を借りたりなど、次への投資をすることができたのです。


Q:そのころから御社の企業理念が出来上がってきた感じですか?

前田:
そうですね。「自分と関わった身近な人から順番に、私と関わってよかったと思ってもらいたい」という理念は創業当時からありました。昔、一人勝ちした起業の末路をたくさん見てきたので、それを反面教師にして、社員や取引先、加盟店様に対しては共存共栄の考え方で、痛みも喜びも共に分かち合いたいという思いは最初からありました。そして今、明確にコンセプトとして持っているのは「起業家輩出カンパニーを目指す」というもので、それは後からできた考え方です。今、新卒採用も行っていて、その活動の中でいい加減なことは言えないという思いから、明確なビジョンとなる企業理念を打ち出しました。


Q:3年という区切りで考えたときに、当初からこういうスピードで行こうというのはありましたか?

前田:
最初の3年くらいは全くありませんでした。今は持てているので、目標に対して達成のスピードが少し遅いように感じています。


Q:その原因は見えていますか?

前田:
社長のスキルじゃないですか(笑)、それにつきますね。
おそらく私たちくらいの規模の会社であれば、全て社長の責任だと思います。
業態の強み
前田:
現在飲食店を経営されているオーナー様向けに、既存の設備やスタッフを有効活用し必要最低限の投資で店舗売上が拡大できる唯一無二の飲食店二毛作事業であることです。現在の店舗を運営しながら始められるので事業スタートのスピードも速く、畑違いの事業をするわけではないのでオペーレーションもスムーズに行えます。初期投資も少なく始められる部分も強みですね。
お弁当の配達時に訪問企業様から宴会のご予約をいただくこともあるので、売上拡大へのメリットの積み重ねが可能な業態です。
現在のFC状況
Q:加盟オーナーに対して、そして加盟店を利用するエンドユーザーに対して、GLUGとして大切にしているところというのはどのようなものですか?

前田:
工ンドユーザーに対しては、加盟店が責任を負うべきだと考えています。これが根幹にあって、GLUGとしてはメ二ュー開発でエンドの趣向に合うものをしっかり提供していくことを大切にしています。加盟店に対しては、努力できる人はどこまでも上に上がってもらい、努力ができない人は辞めてもらって構わないと思っています。実際、飲食店をやりながら弁当の事業を足すということは本当に大変なことです。そこを自己責任で頑張ってもらう代わりに、GLUGとしては加盟店が努力をしてくれるのであれば本部としてどこまでも伴走するつもりでいます。


Q:どのような方が加盟店には多いですか?

前田:
ストレートに言うと売上に困っている人。飲食業界がますます厳しくなっているので、このままだと潰れる、何かしなきゃいけないと思っている方が多いです。


Q:加盟していく中で、うまくいっている加盟店、うまくいっていない加盟店が当然いるとは思いますが、その違いは何ですか?

前田:
本業をしっかりと運営している人はうまくいきます。同様に本業をしっかりやっていない人はうまくいかないと思います。単純にそれだけです。例えば、きちんと掃除をしているとか、お店に行った時にちゃんと飲み物が出てくるとか、挨拶を元気にしているとか。そういうことができているというのは飲食店としては当たり前で、その当たり前ができているお店はうまくいっているように感じます。お金があるかないかではなく、本業をしっかりやっているかが重要です。
今後の事業展開について
Q:今後どういう展開を考えていますか?

前田:
飲食店さんがよりよい状態になるために、あらゆるコンサルティング活動をしていきたいと考えています。業界は飲食に特化して、それ以外をやるつもりはありません。現に今やっていることは、売上を上げるためであれば、やどかり弁当をやることで二毛作ができるという提案をしています。しかし一方で、飲食店オーナーは朝から晩まで現場に入っていて、頭を使う仕事ができていない。だからこそ、GLUGとして単なる提案だけでなく飲食店オーナーにとっての情報屋にならなければならないとも思っている。
ある地域のオーナーに対して、その地域の飲食に関わる情報を全て提供するとか。今具体的に提供している情報は、助成金の話です。飲食店経営の手法として、こういう雇用の仕方をするとこういう助成金が受けられるよとか。または、本業のメニューブックやチラシを作るのであれば、GLUGのデザイナーがデザインに関するコンサルティングをします。
IT部隊もいるので、飲食店の業務を簡素化・効率化させるためのシステムを構築するコンサルティングサービスもやります。せっかく300店舗超のチェーンができてきているので、そこにGLUGが新しいスタイルのコンサルティングサービスを新規事業として作り提供していく。社内においては、それらの事業の中から子会社化するものを作って、起業家として頑張ってもらう。という流れで企業理念にも繋がっています。実際に今、そのような会社がいくつか立ち上がり、走り始めているところです。
加盟を望む企業や個人のイメージついて
Q:そのようなサービスはやどかり弁当に加盟したら受けられるメリットなんでしょうか?

前田:
私たちが一度でもコミュニケーションをとった人は、皆お客様だと思っています。やどかり弁当を営業した際に、残念だけどこの店舗にはやどかり弁当の業態は合わないなと感じた際に、サービスがたくさんあればさまざまな提案ができる。一度でも会った飲食店オーナーには何か一つでも提案できるようにしています。


Q:いずれはこの飲食店向け総合コンサルティングサービスを加盟店以外にも展開していくんですね。

前田:
今私自身は月曜日から木曜日まで必ず加盟店さんを訪問しています。クライアントである加盟店の満足は私の担当なので、加盟店の満足度が上がる活動を粛々と進めています。効率的だとは思ってはいませんが、私が先頭に立って進めていくことは今のGLUGにとって必要なやり方だと考えています。
会社名 株式会社GLUG 業態 飲食
所在地 東京都港区東麻布2-16-3 サナダビル URL http://www.yadoben.com/